パラドックス13
展覧会に行く。
洋画と日本画をゆっくり鑑賞する。
年齢のせいだろうか、日本画が好ましく感じられることにいささか驚く。
日本画の押し付けがましくない色合いや、絵のもつ力が心地よい。
なかでも明るい色調の風景画に心が癒される。
沢山の作品の中には理由なくひきつけられるものがあって、そういう作品の作者を見ると、私と同じ街の出身であることに気づく。
その絵は私のふるさとの、風景なのだ。
疎遠になり、滅多に思い出すこともない風景だった。
パラドックス13 東野圭吾 毎日新聞社
★★★☆☆
13時13分突然、地上から人々が消えた。ごく少数の生存者を残して。さらに天変地異が生存者に襲い掛かる。それは科学者によってあらかじめ割り出され、各国の中枢には知られていた13秒間に起こるP-13現象だった。
映像化が前提のような筋運び。登場人物もどの俳優がいいかな、などと思いながら読み進んだ。13人の生存者のうち、警察官の兄弟、誠哉と冬樹が中心となって物語が展開する。
理性とカリスマを備えた誠哉の言葉が心に残る。極限の時、人は何を拠り所として生き抜いていくのか。本当に善悪は変わるのか。感情を優先にする弟が対比の存在として描かれている。
私達が生きている社会は先達が作り上げたものであること、何もしていないようでも、働いて収めた税金を納めてきており、社会のインフラはその税金で作り上げられたもので、そこに生活させてもらっているのだから、目上の人たちには感謝し、敬うべきだというくだりには、本当にそうだ、と反省させられたことだった。
著者:東野 圭吾
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