2009年8月 6日 (木)

西の魔女が死んだ  

休暇で訪れた街は海の匂いがした。

人々はのんびりと親切で明るい。

いつのまにか自分の食べる速度やおっとの歩く速度が遅くなっている。

そしてこどもはゲームやテレビのことなど忘れて楽しく遊ぶ。

大きな空と沢山の緑に海。

沢山のエネルギーを自然からもらって笑顔が多くなっているのに気づく。

さぁてまた、いつもの毎日をがんばろう。

西の魔女が死んだ  梨木香歩 新潮文庫

   ★★★☆☆

中学に入って学校に行かれなくなったまいは、英国人の祖母と田舎で暮らすことになった。そこでまいは魔女修行を始めたのだ・・

魔女になるには、全て自分で決めなければならないと祖母が主人公の少女に語っている。人として当たり前のことなのだけれど、思春期の子供に理解させるにはいい例えだなと思った。いじめが元で不登校になってしまうのだが、他はいたって恵まれた少女である。中学生にしては幼すぎる感は否めないが、映画化されたくらいだから、現代の子供としては妥当なのだろう。

私は家庭の事情が複雑だったから、学校は現実逃避ができる楽園だった。どこかのグループに入らなければならないとか、相手にしてくれない子がいるだとか、そんなことあまりにも小さな問題で気にもならなかった。

ただ、今の子供より幸運だったのは携帯電話がなかったことだ。自宅の電話もコードレスなどなくて、居間にあったから親の監視下にあり、急用もないのに電話などかけられなかった。だから学校の門を出てしまえば、また登校するまで人間関係が途切れるのだ。

豊かになるというのは良いことばかりではないのだろうか。そんなことはないはず。豊かになって出来た余裕の部分で、小さくとも人のためになることができると思いたい。

西の魔女が死んだ (新潮文庫) Book 西の魔女が死んだ (新潮文庫)

著者:梨木 香歩
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2007年10月15日 (月)

パソコン通信探偵団事件ノートシリーズ   

自転車をゆっくりと漕ぎながら、ぼんやりと午後の空を眺める。

うろこ雲だ。秋の美しい高い青空にキラキラと無数の雲が光っていた。

公園の子供たちの声に自分の幼い頃の思い出が浮かんできて、心がじんわりと温かくなる。

先のことなんか全く考えていなくて、一日が長かった頃。

空想したり、走り回ったり、その瞬間が世界の全てで、それが子供たちの特権だった。

今、子供たちは明日のことを考えなくてはならない。

明後日も来年も、そして受験のその先のことも。

今でも子供たちは空を見上げるのだろうか。

走り回って、そして疲れたら首が痛くなるくらい空を見上げていて欲しい。

パソコン通信探偵団事件ノート(パスワード)シリーズ   

松原秀行 講談社 ジュニア小説

  ★★★★☆

僕らはパソコン通信で行う電子塾の特別な教室、電子探偵団の塾生だ。6年生のマコト、みずき、ダイ、飛鳥、まどかたちはボスのネロのもとで、推理力を磨き、事件を解決しているのだ。

小学生の子供たちが信頼置ける成人のもとで、数々の体験をし、友情を育て、成長していく物語。子供向けの優しい文体と、謎解き、だじゃれ、そしてほのかな恋や小さな冒険で子供たちの興味をつかんで離さない。内容も文体も堅い課題図書ではなくて、こういう本を読ませてあげれば、読書嫌いの子供はいなくなるのではないだろうか。

長くシリーズが続いているので、1年しか時間が流れていない設定なのにワープロから、パソコン通信に変わっていくのもご愛嬌。

パスワードは、ひ・み・つ―パソコン通信探偵団事件ノート (講談社 青い鳥文庫) Book パスワードは、ひ・み・つ―パソコン通信探偵団事件ノート (講談社 青い鳥文庫)

著者:梶山 直美,松原 秀行
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パスワードで恋をして―パソコン通信探偵団事件ノート〈8〉 (講談社青い鳥文庫) Book パスワードで恋をして―パソコン通信探偵団事件ノート〈8〉 (講談社青い鳥文庫)

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2006年12月 6日 (水)

カラフル

ドライブに飽きてくると、こどもが「しりとりしよう~。」と言う。

張り切って早速始める。

「しりとり!」 「りす」 「するめ」 「めいろ」と順調に続く。

何順か廻って「いか」 「かるた」

そしてこどもの番になる。「た・・・た・・・食べ残し!」

つい吹き出してしまうが、続けていく。

「まめ」 「めだか」 「かい」

またこどもの番になる。「い・・・い・・・生きにくい!」

こどもは明るく笑っていたけれど、なんだか、ちょっぴり考えさせられた。

カラフル    森絵都  理論社 ジュニア小説

  ★★★★☆

大罪を犯した僕は二度と生まれ変わることが出来ない魂のはずだった。だが天使がやってきて、なんと僕は抽選にあたり、もう一度下界で挑戦する権利が与えられたと言う。そして一年の期限付きで、自殺した中学三年生の小林真くんとして生きることになった。けれど、真くんの家族も学校も最悪だった。。僕は果たして挑戦をやり遂げられるのか?

家庭や、いじめで悩んでいる十代の人たちにぜひ読んでもらいたい本。ほんの少し自分の見方が変わっただけで、ほんの少し自分の可能性を認めるだけで世界はぐるりと変わってしまうということ、真っ暗闇に感じてしまう世の中が、いかに鮮やかで輝いているのかが軽やかに描かれている。この世の人間は一人残らず大事な人なんだよ、あなたは周りの人に愛されているんだよと。

カラフル Book カラフル

著者:森 絵都
販売元:理論社
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