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2010年4月 7日 (水)

ラブリー・ボーン

卯月になってもコートが手放せない毎日が続いたお陰で、早々に開花してしまった桜の花が舞う中で入学式が迎えられた。

来賓の方々の祝辞が延々と続く中、講堂上部の窓から桜並木が美しく揺れる。

ひどく緊張して講堂を退場していくわが子の心も不安と期待に揺れている。

春が門出の季節なのは本当にいい。

おぼろげな未来への不安やらなにやらがみんな桜色に彩られて、きっと素晴らしいものになる、そう思えるから。

ラブリーボーン  アリス・シーボルト  ヴィレッジブックス

  ★★★☆☆

14歳のある日私は近所の男に殺された。家族と一緒にいたかった。夢もあったし恋もしたかった。そうして毎日天国から家族や大切な人たちを見守る日々が始まった。

1970年代のアメリカを舞台に物語は繰り広げられる。悲惨な事件で家族がバラバラになり、ゆっくりと再生していく。登場人物がそれぞれ丁寧に描かれていて、引き込まれるように読んだ。それぞれが追い詰められて傷ついて現実を受け止められずにいるのだが、母親は家庭から逃げ出してしまう。被害者の少女と年も近く好奇の目にさらされるであろう下の12歳の娘や、まだ幼い4歳の息子までも残して。そして家庭のために自分のキャリアを押し殺してずっと過ごしてきた人生からも。全ての人は選んでいたかもしれない人生、歩んでいたかもしれない道を時々思いながら、折り合いをつけて生きていく。この物語のラストが納得のいくものでよかった。

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