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2009年6月12日 (金)

家日和

夕方のニュースで十代の母親、いわゆるギャルママの特集をしていた。

金髪の長い髪を大きく膨らませた流行の髪形に、短いスカートで子育てや家事に全力投球する姿は、なかなかに心を打つ。

自分のためだけに生きて当然の年頃なのに、幼さの残る顔で子供の世話をするのは尊敬に値する。

すると、熱心に画面を見ていたこどもが暗い顔で私に言う。

「お母さんがギャルママになったら、きっとお父さんは嫌がって離婚だね。心配だなぁ。」

・・・この年になってギャルになれるものなら、なってみたい。

家日和     奥田英朗  集英社

  ★★★☆☆

家族の心の隙に生じる小さなエピソードを集めた短編集。幸せな毎日の、それでも生じる小さな不満が発端となる出来事。絡まった糸が必ずほどけるのが、この作者の作品の良いところ。着地点が必ずハッピーになるところが安心できる。最後の物語は作者自身がモデルなのかと思わせるのも作家の腕前か。

人はどうして与えられた幸せより、足りないところばかり数え上げてしまうのだろう。

少しずつ積み上げた積み木がずれているのに気付いたら、小さくため息をついて、また積みなおせばいいのだ。嬉々として飽きることない幼子のように。

家日和 Book 家日和

著者:奥田 英朗
販売元:集英社
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コメント

はじめまして。
『ホテルアイリス』にTBさせていただきましたが、コメントはこっちへ書いてしまいます。
>人はどうして与えられた幸せより、足りないところばかり数え上げてしまうのだろう。
むむむ。軽いのに時にぞっとする、奥田さんの妙味に感心しています。

投稿: 時折 | 2009年6月26日 (金) 08時04分

時折さん、はじめまして。
TBとコメントありがとうございます。
奥田さんの作品は、最終的にはハッピーエンドになることが多く、人間に対する優しさがあり、なんだか元気が出てくるので、私は元気を出したい時に読んでいます。
こちらからもお邪魔しますね。

投稿: ゆっこ | 2009年6月26日 (金) 09時04分

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