ハリー・ポッターと死の秘宝
自宅近くの川のほとりに素晴らしい桜並木がある。
例年家族で散歩していたのに今年はその機会を逸してしまった。
折角の絶景を逃すのも残念なので一人で出かけることにする。
華の盛りは少しばかり過ぎてしまっていて、葉桜混じりの桜だった。
けれど、花びらがはらはらと川面に散り行く様も美しく、遠めに並木を眺めれば、まだまだ充分美しい。
桜の香りのする風の中、大きく息を吸ってみる。
この国に生まれてきたこと、こうしてまたこの花を見上げることが出来たことをじんわりと感じて。
ハリー・ポッターと死の秘宝 J.K.ローリング 静山社 ファンタジー
★★★★☆
ハリーポッターシリーズ最終巻。
最後まで期待を裏切らず、スピーディーで面白く一息に読んでしまった。娯楽に溢れた現代の子供たちに、読書の楽しさを思い出させたという点で、功績が大きいと思う。そして人間の弱さや愚かさも描かれており、大人も充分楽しめる物語だ。
たった一つ残念なことは、この作品の日本語翻訳が児童書の出版に慣れた会社から出されなかったことだ。出版された続編を読む頃にはよほどのフリークでない限り、既刊の細かな内容や脇役は忘れていることが多いので、通常のシリーズものは、それまでのあらすじと登場人物が冒頭に紹介されている。しかしこの作品にはそれがないので、新しい巻を読み始めると横文字の名前ということもあり必ず混乱する。しかたがないのでそのまま読み進んでいくのだが、残念しきり。
そして今回非常に残念に思ったのは、表紙カバーの折り返しに最新刊の登場人物紹介があるのだが、下巻のある人物の説明を読むと、これまでこの話を読んできた人間なら、物語の真相が容易に推察できてしまうように書かれている。これは、あまりにひどい。これでは折角の読書の楽しみをあらかじめ奪われてしまう。
それに、上下巻セットでしか販売しないというのもどうかと思う。下巻を読まないという選択もあるし、四千円はきつくても二千円を二回なら買えるという子供もいるだろう。どちらかだけを再び購入したいということもあるだろうに、利益のことしか考えていないと感じてしまう。
作品が素晴らしかっただけに、他の出版社から出ていたらもっと良い本になっていたのではないかと残念なのだ。
著者:J. K. ローリング
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「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)
販売元:静山社
発売日:2008/07/23
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