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2009年3月23日 (月)

ラジ&ピース

スーパーに行くと、小さな子供たちが沢山いる。

そうかもう春休みなんだ。

こどもの病気が続き慌しく毎日を過ごして、日々が単なる数字の羅列のようになっていた。

ちっぽけな私が心を乱そうと、満たされようと、世の中は一分の狂いも無く過ぎていく。

それならば、笑って楽しく過ごしていこう。

そんな風に思ったら、小さな男の子がニッコリと笑った。

ラジ&ピース  絲山秋子 講談社 小説

  ★★★☆☆

野枝はラジオDJだ。ラジオの中の私は親切で明るくて人気者だけれど、現実の私は不機嫌で不細工な愛想のない人間で・・。

FMラジオの地方局にこだわってDJを続ける女性の話。コンプレックスに凝り固まって、自分自身も周囲の人も居心地を悪くしていく。他人との関わりを嫌いながらも、実は一人では生きていかれない現代人の横顔が描かれている。

生活自体が大変だった時代は過ぎて、自己実現という名の自己満足を追い求めて人は生きていく時代になった。それは実に贅沢なことなのだけれど、あまりに自由度が高すぎて振り回されてしまうのだ。幸せは究極のところ、自分の中にしかないのだ。どれだけの恵みに気づけるか、そして感謝できるかというところにしか。

ラジ&ピース Book ラジ&ピース

著者:絲山 秋子
販売元:講談社
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2009年3月 4日 (水)

妊娠カレンダー

どうして妊婦さんってあんなにかわいいのだろう。

まぁるいおなか。ふくらんだほっぺ。ゆっくりとした歩き方。

あのふくらみの中に素敵なものが沢山詰まっている感じがして眺めてしまう。

もう一つの命の喜びが、体の中から溢れ出てくるのか。

妊婦だった時、度々見ず知らずのご婦人達が嬉しそうに話しかけてきて、私の大きなおなかを触るので、ひどく驚いたものだった。

彼女達は私が放っていた幸せを感じ取っていたのだ、思わず触れずにいられなかったのだと、今ならばわかる。

妊娠カレンダー  小川洋子 文春文庫  小説

  ★★★★☆

同居している姉が妊娠をした。わたしと姉夫婦のごくありふれた、それでいて奇妙な毎日を紡いだ作品。

以前この作家による話題の長編を読んだときはさっぱり良さがわからない、と思ったがこの短編集はよかった。微妙にずれていく世界や、あやうい心。数字や奇妙なこだわり。それがごく平凡な出来事から描かれていく。小説だけが表せる独特の世界観。こういう作品に出会うと、純文学もいいなぁと素直に思う。

妊娠カレンダー (文春文庫) Book 妊娠カレンダー (文春文庫)

著者:小川 洋子
販売元:文藝春秋
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