奇跡のリンゴ
小雨交じりの通勤時間帯、おっとを駅まで車で送る。
通り過ぎるバス停には、結構な数の人たちがならんでいる。
みな寒そうに背中を丸めている。
今朝は吐く息が白くなるほど冷え込んでいるのだ。
よほど寒いのだろう、小刻みに体を揺らしている人もいる。
さまざまな年齢の色々な服装をした人たちが並んでいる。
一人の例外もなく、バスがやって来る方向をひたすら見て立っていた。
奇跡のリンゴ-「絶対不可能」を覆した農家木村秋則の記録-
石川拓治 幻冬舎
★★★★☆
不可能と言われた無農薬、無肥料でりんごを収穫する木村さんとその家族の成功までの軌跡。
夢に取り付かれた男はいい。ただひたすら夢を追っていればいいのだから。この本は、彼自身というより、彼の夢を黙って支え、信じ、共に歩いた家族の物語だと言える。婿養子を周囲から守った義父の心、勘当だといいながら夜中に野菜を軒先に置いていく木村氏の両親、膨大な農作業にひたすら従事した義父母と妻、彼が弱音を吐いたときにやめるなんて冗談じゃないと怒りを表した小学生の娘の姿に、何度も涙を拭いながら一息に読破した。
ようやく実がなってからも売れるようになるまでがまた一苦労。
今では彼のりんごは入手困難というほどだが、彼はお金には無頓着らしい。でも、農業の発展のためには儲からないと後に続く人がいなくなる。貧乏に耐えた自分の家族のためだけでなく、食物自給率が低いこの国の将来のためにも、りっぱな農業をすれば人が羨むような生活をできると世に示して欲しい。
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奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録 著者:NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」制作班,石川 拓治 |
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