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2008年12月 7日 (日)

アフガンの男

新聞の一面は今日も暗い記事ばかり。

PCを開いても、テレビを見ても目を覆いたくなるような、耳を疑うようなことが繰りかえされている。

そんなことを考えていたら、車が赤信号で交差点に停まった。

小学生くらいのおかっぱの女の子が背筋をぴんと伸ばして右手をまっすぐに上にあげ、横断歩道を渡っていく。左の肩には習い事の道具が入っているのか、大きな布地の鞄をかけ、大真面目な顔で歩いていく。

大切な仕事をこなしているみたいに、真剣にきちんと振舞っている。

横断歩道を渡り終わると、きっちり右を向いて、次の信号が青になるのを待ち、信号が変わるとまた先ほどと同じように一歩一歩歩いていった。

そんな様子がなんとも微笑ましくて思わず、ハンドルを握っていたおっとに言う。

「こどもはいいねぇ。」

「うん、かわいいね。」彼は静かな声で答える。

上手く言えないけれど、やっぱり、世の中っていいことで溢れているような気がする。

アフガンの男  フレデリック・フォーサイス 角川書店 スパイ小説

  ★★★★☆

殺害されたテロリストのPCにアルイスラ(神聖なる魔法の旅)と名づけられたテロ計画が発見された。しかしその詳細は全く解明できない。それを探り、未然に防ぐべくある男が選ばれた・・・。

上巻は、この作品にいたるまでの歴史が描かれており、それが大変興味深かった。著者特有の、事実の中にフィクションを織り交ぜていく筋運びなのだが、今回もそれに唸らされてしまった。なぜ自らの命を厭わないほど西側に憎しみを抱いているのか、どうやってテロリストが教育されていくのかなども詳細に描かれている。いくつもの要素が複雑に絡み合い、それがまた新たな禍根を生む・・・このような世界を幸せに生き抜くために信仰は存在するのではなかったか。どのように死んでいくのか、というためだけに神はいますのか。重い問いかけが残された一冊。これからを生きていく人たち必読の本。

アフガンの男 上 Book アフガンの男 上

著者:フレデリック・フォーサイス
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