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2008年7月14日 (月)

クローズド・ノート

大学生の女の子たちと話をする機会があった。

目の前の勉強や恋はもちろんのこと、将来に対する漠然とした不安にゆれる彼女達の言葉は、私達の頃とほとんど変わっていないことに驚きながら、なんだか安心する。

「とにかく目の前のことを一生懸命やるしかないと思うんですけど、なんだかいきづまってしまって。」とケーキを食べながら話す姿に、そうだった、私もいつもあせってばかりいたとほろ苦く思い出した。

そうよね、そうなのよね、ときちんと相槌をうちながら、彼女達の言葉を沢山受け止める。

「仕事をしてもしなくても、結婚してもしなくても、子供を生んでも生まなくても、悩みはつきものなんだけど、それがいいのよ。そんな風に自由に選択できる、ということが素晴らしいの。だから、大丈夫、自分が納得する道を行けば絶対に大丈夫」

すっかりわかりきった口調で話してしまう。

本当は、今でも思わず空を見上げて、大きなため息をついてしまうことがあるのだけれど。

クローズド・ノート  雫井脩介 角川書店 小説

  ★★★☆☆

教育大生の香恵は文房具店でバイトをしながら毎日を送っていた。ふとしたことから、前の居住者が残していったノートを自室に見つける。そのノートに導かれるようにして、彼女は前へ進み始める。

話題の女優陣によって映画化され、宣伝で内容がほとんどわかってしまっていたことが残念。昨今は本や映画、テーマパークなど、事前にほとんど丸出ししてしまい、いざ本番となると知っていることをおさらいしているだけで、興ざめなことが多い。

だから、この小説もわかりきっている話の筋自体より、ノートの内容を楽しむといった読み方になってしまって、なんだか残念だった。ノートの持ち主の、教師という仕事に対する誇りと、生徒達への愛情にあふれた内容は、作者の実の姉の文章を参考にしたというから、本物はやはり胸を打つ。

せめてラストがわかるような宣伝はしないで欲しい、と思うのは私だけかしらん。

クローズド・ノート (角川文庫 (し37-1)) Book クローズド・ノート (角川文庫 (し37-1))

著者:雫井 脩介
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