« 所轄刑事・麻生龍太郎 | トップページ | テンプル騎士団の遺産 »

2008年1月 4日 (金)

夜のピクニック

元旦の午後、自宅近くの神社へ家族そろって初詣に行く。

例年なら故郷で正月を過ごすのだが、おっとの仕事の都合で帰省しなかったのだ。

普段はヒトケの無い小さな神社なので、簡単にお参りできるだろうとたかをくくっていたら、神社をぐるりと取り囲むように長い行列が出来ている。

なぜか、ベレー帽を被った中年の男性や女性が一定の間隔で立っていて、誘導してくれる。

神社の所属じゃないだろうし、ボーイスカウトにしては年季が入りすぎてるし、、などとつらつら考えていると目があったので、会釈する。

こどもは待ち時間ができると、すぐにしりとりしようとせがむので、元旦から言葉探しを始めることになる。

しりとりをしながら境内への短い階段を上りきり、参拝する。

今年も嬉しそうにおっとは破魔矢を買い、子供たちはおみくじを引く。

こんな穏やかなお正月をいつまで続けることが出来るのだろう。

家族が増えてずっとずっと続いていくといいなぁ、と年の初めに当たり前の幸せに感謝する。

夜のピクニック   恩田陸   新潮社  小説

  ★★★★☆

貴子は密かな決意を心に抱きながら、高校生活最後の歩行祭に臨む。小休止をとりながら夜通し歩き続け、学校へ帰ってくるという単純でありながら厳しい行事の中で、学生たちは一体何を掴み、何に気づくのか。

読みながら高校生の瑞々しい感性と、ささやかな出来事に胸を時めかせていた時代を思い出した。大人になって出会うであろう困難に比べるとささやかではあるけれど、十代の子供たちにとっては大きな問題に揺れ動きながら、向き合っていこうという主人公達がすがすがしかった。物語はただ歩いていくだけで複雑な展開もなく、大きな事件も起こらないけれどじんわりと心に染みた。

「今を未来のためだけに使うべきじゃないと」この一節はしみじみその通りだと思う。全てのことは後々によかったと思えるようになる。人生の道草や休憩や無駄や失敗さえも、全てきらめく宝になっていくのだ。

夜のピクニック Book 夜のピクニック

著者:恩田 陸
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

|

« 所轄刑事・麻生龍太郎 | トップページ | テンプル騎士団の遺産 »

小説」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/155447/9712803

この記事へのトラックバック一覧です: 夜のピクニック:

« 所轄刑事・麻生龍太郎 | トップページ | テンプル騎士団の遺産 »