« みずうみ | トップページ | ロンググッドバイ »

2007年11月14日 (水)

反自殺クラブ

柿が美味しい季節がやってきた。

ところが我が家では柿は少し問題なのである。

というのも、私は硬めの若い柿が好きで、りんごより少し軟らかいと思われるものをしゃりしゃりと食べるのが美味しいと思うのだが、おっとは熟した軟らかい柿が好きなのだ。

熟した柿を何度か試してみたのだけれど、熟したものは、同じ味なのに全く違う食べ物のように感じるから不思議だ。歯ごたえというのが、思っているより重要なのだ。

最近では固い柿を買ってきて二、三日置く。すると少し硬く少し軟らかい柿が出来上がる。

完璧に満足はできないけれども、不満にもならないものが誕生する。

些細なことでもこうやって歩み寄るのたいせつなのだ、と私は満足する。いつものようにおっとは気づいていないかもしれないけれど。

反自殺クラブ  石田衣良 文藝春秋 ミステリ 

  ★★★☆☆

池袋ウェストゲートパークⅤ。真島誠は池袋西口の果物屋を母と二人で切り盛りしながら、雑誌のコラムを書いている。彼なりのやり方で、街の、名もない人たちが巻き込まれたトラブルを解決しているのだ。

このシリーズは短編だけれど、その時その時のホットな問題が取り上げられていて、いつもながら考えさせられる。華やかな都会で生じる矛盾や、やりきれない問題を主人公が優しさをもって、合法的に、血を流すことなく解決していくところが読んでいて安心できる。

誠は決して報酬は受けとらず質素な生活を送りながらも、クラシック音楽を聴きながら、自分の美学に忠実に生きている。要領良く、損しないよう立ち回るのが出来る人間だと評価されがちなこの時代に、誠のやせがまんなキザぶりが一昔前の男という感じがして、本当にいい。

反自殺クラブ―池袋ウエストゲートパーク5 (文春文庫 い 47-9) Book 反自殺クラブ―池袋ウエストゲートパーク5 (文春文庫 い 47-9)

著者:石田 衣良
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

|

« みずうみ | トップページ | ロンググッドバイ »

ミステリー」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/155447/8911533

この記事へのトラックバック一覧です: 反自殺クラブ:

« みずうみ | トップページ | ロンググッドバイ »