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2007年10月23日 (火)

初恋

近くの小学校の下校時刻、家路を急いでいると、後ろから自転車がゆっくりと追い抜いていった。

自転車でパトロールをしているおまわりさんで、小学校の方へ進んでいく。

向こうから黄色いカバーをランドセルにつけた、小さな小学生の男の子が一人で歩いてくるのが見える。

その子は自転車のおまわりさんとすれちがいざま、さっと敬礼をした。

おまわりさんは男の子の方を見て軽くうなずいた。

こちらに向かって歩いてくるその子の顔は、大層誇らしげだった。

初恋      中原みすず  リトルモア   小説

  ★★★☆☆

1960年代後半の学生運動一色という時代、ジャズ喫茶Bに亮を中心とする若者のグループがたむろしていた。高校生のみすずも仲間に加わり、寂しさをまぎらわすようになっていく。ある日、いつも冷めた調子の岸からあることを手伝ってほしいと頼まれる。それはあの府中の事件だった・・。

小さなエピソードが重要な意味を持っているところが何箇所かあり、あらためてその部分を読み返したりして、よく出来た話だった。

主人公のみすずが環境のために複雑な人間性になってしまうのは仕方ないとしても、他の登場人物は経済的にも能力も恵まれているにも拘らず、彼らが持っているこの時代独特の子供じみた反体制ぶりと自堕落さはお約束なのか。一体何が不満で、何に歯向かってるのか、彼ら自身も見失って空回りしている。やるせない読後感で、自分の蒔いた種は刈り取らなければならない、この物語はそう言いたかったのだろうか。

Book 初恋

著者:中原 みすず
販売元:リトルモア
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