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2007年9月 2日 (日)

私の夫はマサイ戦士

日経新聞夕刊の長谷川櫂さんによる「プロムナード」を興味深く読んだ。

イタリア料理のプッタネスカというのは「娼婦風」という意味の、常備野菜などで手軽に作れる料理で、日本でいうなら「おふくろの味」とでも言えるものなのだそうだ。なつかしく、つい食べたくなる料理。

加えて言うなら、世界を探してみても事あるごとに恋しく思う料理に、「愛妻の味」とか「愛妻風」というものはないのだと。

それでは妻の立場が全く無いではないか。

ここはおちついて、オトコのタチバに立って考えてみる。

妻や子供の前ではやはりプライドがある。そうそう甘えてはいられない、それに食事の文句なんて言ったら、妻が機嫌を損ねて美味しく食べられないじゃないか。

その点、母ならば我儘はゆるされるし甘えも出来る。

客の立場ならなお更強い。よくわからないけど、妻に見せない顔も見せられるのだろう。

そう考えると妻ってなんだかつまらない。

つまらないから、つま、っていうのかしらん。

私の夫はマサイ戦士   永松真紀  新潮社  手記

  ★★★★☆

筆者はナイロビに在住する日本人向けの添乗員で、マサイ戦士の夫が住むケニア西部のエナイボルクルム村とを行き来しながら生活している。

ケニア人からも差別をもって見られるマサイ族の男性の元に、それも第二婦人として嫁いだ彼女の生活はいかなるものか。

マサイ族といえば、電気ガス水道などのライフラインはもちろんなく、家も自然界の材料で妻が作る。牛を飼い、時には狩をする生活、そんな印象しかなかった。

しかしこの本を読んでみて、マサイ族が極めて民主的で合理的な考え方をし、実行している人たちなのだと知った。変化を受け止め、譲歩できるところは譲る。ある意味では文化的生活を送っている都会の人たちより、ずっと文化的なのだ。

永松さんの行動力もバツグンなのだけれど、彼女をとりまく人たちも面白い。

世界は広く、知らないことがまだまだ本当に多いのだと実感した一冊。

私の夫はマサイ戦士 Book 私の夫はマサイ戦士

著者:永松 真紀
販売元:新潮社
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