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2007年9月21日 (金)

夜の公園

久しぶりに出掛けたその街は、変わらず奇抜な服装の人たちが多かった。

私はなんとなく居心地が悪く、目的地へと思わず早足になる。

すると前方から30代とおぼしき男女が、腕を組んでぴったりと体を寄せ合うようにしてやって来た。

二人は真顔で、お揃いの白いTシャツを着ている。

胸の辺りに大きな赤い文字が書いてあって、男性の方はLO、女性はVEだった。

二人は大切な『LOVE』を運んでいるかのように、神妙に私の横を通り過ぎていった。

夜の公園    川上弘美 中央公論新社  小説

  ★★★☆☆

リリは幸夫という申し分のない夫がいる、だけど、気づいてしまったのだ。もう夫を愛していないと。春名はリリの夫を愛している、だれよりも深く。けれども、何人かの男と付き合わずにはいられない。なんだかやるせない大人の恋物語。

この本を読みながら、他の作家さん(私はその人も大好きなのだけれど)の作品かと思ってしまうほど、文体もストーリーもいつもの作風と違っている。さすがと言おうかこの作品も楽しんで読めたけれど、ラストがあるべきところに落ち着いたような結末になってしまうのがやっぱり川上さんで、いつもはそこが好きなのだが、この作品の女性達のキャラクターだと、なんとなく腑に落ちない感じがしてしまう。

新境地だとは思うけれど、川上さんのファンとしてはなんだか寂しい気もする。それはあんまり望みすぎと言うものなのかなぁ。

夜の公園 Book 夜の公園

著者:川上 弘美
販売元:中央公論新社
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投稿: magazinn55 | 2007年9月26日 (水) 09時53分

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