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2007年7月18日 (水)

震度0

おっとと車でスーパーに出掛けた。

雨なので駐車場が混雑している。

八階だての駐車場なのに満車に近く、空いているところを探してゆっくりと進む。

すると若い女性がどこかを指差しながら私たちに向かって微笑んでいる。

彼女はベビーカーを押していて、その傍らには小さな男の子が立っている。

よく見ると「ここ空いてますよ」と言っているのだ。

おっともそれに気づき、その親切に感謝して駐車した。

彼女にとっては自然でささやかなことかもしれない。

だけど、私はいたく感激してしまった。なんて素敵な人なのだろう、と。

心がじんわりと温かくなった。

彼女が連れていたこどもたちは幸せだ。いつも親切にあふれたお母さんと一緒にいられるのだから。彼らも優しい人になって周囲を暖かくしていくのかな。

震度0   横山秀夫  朝日新聞社  ミステリ

  ★★★★☆

阪神大震災の日、一人のN県警幹部が失踪した。県警の沽券に関わる問題だけに極秘に捜査は進められているが、幹部やその妻達の利害も加わり、激しい駆け引きが繰り広げられる。真相はいかなるものなのか。

隣県で起きている未曾有の大災害への支援や自県の解決すべき事件より、保身を最優先にする人間の弱さが哀しい。これはあくまでフィクションだが、キャリア、準キャリア、ノンキャリアの夫々の立場で、将来を見据えた勢力争いが生々しく描かれていて、うんざりさせられる。希望が見える結末にホッとした。

学業の成績が良いというだけで、辛い現場を知らない若い人間が指揮するのは素人が考えても無理がある。私はお役所のことはわからないし、今は違うと思うのだけれど、以前キャリア上がりの70歳過ぎの社長さんとお話する機会があり、彼は静かにおっしゃった。「私が役所を辞めたのはね、その頃の○○省ではキャリア以外の人間のことをよつあし、と呼んでいたからなんだよ。」

震度0 Book 震度0

著者:横山 秀夫
販売元:朝日新聞社
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