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2007年6月22日 (金)

だから、僕は学校へ行く!

ミニトマトの苗が育ってきたので大きめのプランターに植え替えた。

プランターに残っていた土を再利用するので、石灰やら油粕やらをたっぷり混ぜる。

これで栄養満点よとばかりに植え替えてしばらくするとなんだかトマトの元気が無い。

水もやり過ぎていた様だ。

放ったらかしにも関わらず毎年甘い実をつけるイチゴを見ながら、トマトもあんまり過保護は好きじゃないのねぇと気づく。

土は少しくらい痩せていて、乾いた土に水を上げるくらいで丁度良い。

過干渉が嫌なのはこどもだけではないのねぇと思いながら、水が好きな花に水遣りをする。

だから、僕は学校へ行く! 乙武洋匡 講談社 エッセイ

  ★★★★☆

なぜ筆者が公立校の教師になったのかが綴られているエッセイ。

彼が教師を目指そうとする中で、彼自身が子供の頃に人々から与えられた愛情や色々なものに改めて気づいていく過程に素直に感動。感動という言葉はやすっぽくてあんまり好きではないのだけれど、自分が到底到達しそうもない高みにいる人に接すると、やはりこう表現するしかないのかなと思う。彼は物事を正面から捉えて、自分の出来うる努力をしているのに、あくまで自然体で無理が感じられないところが卓越しているなぁと思う。あぁ、うちのこどもも乙武先生に指導していただきたいものです。もちろん、今の先生方も素晴らしいのですけれど。

だから、僕は学校へ行く! Book だから、僕は学校へ行く!

著者:乙武 洋匡
販売元:講談社
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2007年6月18日 (月)

月への梯子

うなぎが食べたいとおっとがことあるごとに言う。

その度「そうだねぇ」というものの、うなぎを用意しなかった。

うなぎは高価だし、それなのにこどもが嫌いなので二種類食事の準備をしなければならず、なんだかとっても面倒で損な気がするのだ。

先日おっとと二人街へ出て食事をすることになり、彼がうなぎが食べたいねぇと言っていた事を思い出す。

その時おっとはとんかつが食べたいと言っていたのだけれど、こんなチャンスはないと説得し、偶然通りかかった行列の出来ている鰻屋へ入る。

行列が出来ているほどだから、味も価格も満足がいくものだったけれど、店のつくりがファーストフードのような軽い感じで、ほんの少しおっとががっかりしているのがわかる。

・・・・食事とはただ単に食べるだけにあらず。

月への梯子   樋口有介  文藝春秋  ミステリ

  ★★★★☆

ボクさんは40歳。知能に軽い障害があるけれど親が残したアパートを管理して生活している。幼馴染の京子とその母トキ、そして個性溢れる親切な入居人たちに恵まれて幸せを実感しているが、ある日入居者の蓉子が自室で殺害されているのを発見して・・・。

文体がすっかり気に入ってしまった。特に第一章は心がほんわかするような温かい作風で、気持ちよく読んでいて、死体を発見した下りで初めてミステリと気づいたのだ。これまで読んできたミステリーは、二重三重のどんでん返しや人の内部の描き方に関心することはあっても、なんといおうか文体が好きだなぁということはなかったのだけれど、こんな作家がいたんだと発見。以前は好きな作家の作品を読破していくことが楽しみだったのだけれど、ブログを始めて色んな作家さんを読むようになり、あらためて読書の楽しみが広がった気がする。

月への梯子 Book 月への梯子

著者:樋口 有介
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2007年6月11日 (月)

天使と悪魔

雨にぬれそぼる紫陽花が美しい。

大輪のようなのに、小さな花が集まったそのたたずまいもこの季節に相応しくて、つい紫陽花を探して路地裏を歩いてしまう。

挿し木で容易に定着して増えていくから、庭先に植えると娘が縁遠くなるという国もあるのだよ、と聞いたことがある。

それを聞いてから、なんとなく自分で育てるのは敬遠してしまい、他所のお宅で丹精をこめられた花たちを眺めるだけなのだ。

自分が嫁いで随分になるのに、一体どこの国の話かも忘れてしまったのに、だいいち話してくださった方の勘違いかもしれないのに、今でも私にとってあじさいは自ら手にとるのではない眺めているだけの花なのだ。

天使と悪魔  ダン・ブラウン  角川書店 ミステリ

  ★★★★☆

セルン(欧州原子核研究機構)で一人の研究者ヴェトラが殺された。その頃、ヴァチカン市国ではコンクラーベの準備が進められる中、時期教皇候補四人が失踪していた。ラングドンとヴェトラの娘はこれらの謎を解き、事件を解決すべくローマへ向かう。

昨年大ヒットしたラングドンシリーズ第一作。イルミナティという謎の団体や、アンビグラムなどの暗号などが登場し、スピード感溢れる物語の展開は同様で楽しめる。特に下巻は一機読み必死。「ダヴィンチコード」もインチキだと非難されていたけれど、あくまでよく出来た小説だと思って楽しむのがいいと思う。以前はイギリスの推理・スパイ小説が好きだったけれど、この十年くらいは奇想天外で、かつ科学的な面白いアメリカ小説が多い。なんとなく知的な気分にはなるし、気分転換にはもってこい!

天使と悪魔 (上) Book 天使と悪魔 (上)

著者:ダン・ブラウン
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天使と悪魔 (下) Book 天使と悪魔 (下)

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2007年6月 8日 (金)

アッコちゃんの時代

「今、一番ほしいものはなぁに?」とこどもが聞く。

目を大きく見開いて、嬉しそうな顔をして私に尋ねる。

「そうねぇ」と私はしばらく考える。

こどもが元気で楽しそうにしていて、おっととこどもたちとのこの幸せがずっと続くこと。

だけど子どもが目を輝かせて待っているのは間違いなく他の答えだ。

お小遣いで買える何かいいもの。

その気持ちが嬉しくて一生懸命考える。

「チョコレートかなぁ」

がっかりした顔をしたので、慌てて言い換える。

「おもちゃやさんに売ってるようなかわいいアクセサリーかな。」

今度は満足そうな顔をして、うなずいた。

アッコちゃんの時代  林真理子 新潮社 小説

  ★★★☆☆

バブルと呼ばれた時代、容姿端麗の女子大生がいた。地上げの帝王と呼ばれた男の愛人となり、その後有名レストランの創業者の息子と結婚した彼女の半生を通して、バブル景気の時流に乗った人々が描かれている。

実在の店や有名人が随所に登場し、バブルを満喫した人たちが本当にいたのだなぁと驚かされる。けれどバブルの恩恵を受けた人は私の周りにはほとんどいないから、会社の上層部や一部の業種に限られていたのだろう。外国のセレブを気取って海外に出かけ、ワインやブランド品に大金を使い、かりそめの色事に身を費やしていく。その経験が教養として身につくのではなく、かえって人としての品性と尊厳を失っていくように思えるのだ。この作者もエッセイを読む限りではバブルな人たちの一人と思っていたのだけれど・・・。

アッコちゃんの時代 Book アッコちゃんの時代

著者:林 真理子
販売元:新潮社
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