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2007年5月 9日 (水)

タペストリーホワイト

気温が上がってところてんが美味しい季節になってきた。

ひんやり冷たくてつるつるとしたのどごし。

そしてあのたれの味。

ちゅるちゅるとススルと、それは幸せな気分になる。

故郷を離れ一人で暮らすようになって、スーパーでところてんを見つけた時はうれしくて早速買い求め、わくわくして食べることにした。

ところが、割り箸を握り締めて口に入れた途端、派手にむせてしまった。

ところてんの味が思っていたのとは全く違っていたからだ。

私が食べたかったのは、あまずっぱいおやつの味のところてんだった。

一生懸命探してみたけれど、甘いところてんはこの辺りでは見つけられない。

今では、甘くないところてんも美味しいと思うけれど、やっぱりあの甘いところてんの味が恋しい。

タペストリーホワイト  大崎善生 文藝春秋 小説

  ★★★★☆

1970年代の初旬、学生運動の内ゲバに巻き込まれ下宿先で撲殺された姉の死の意味を知りたくて、洋子は同じ大学へ入学し姉と同じ街に住む。学生運動で荒れた学校で、数年後に学ばねばならなかった若者達、運動の犠牲者の遺族達の思いと人生は・・・。

今まで私が目にしてきた本、語られた言葉などは全て学生運動の当事者達が自分達を正当化する、もしくは美化したものだったが、この作品はそれらの人々が歩いた後をいやおうなしに歩かされた、所謂「祭りの後」を過ごしてきた人間の偽らざる本音が綴られていて本当に興味深かった。主人公は学生運動を” 思想を盾にしたサークル活動“と言い放ち、それに組した人間を” ブルジョア的特権意識を振りかざしながら、解放も革命も関係なく、60年から80年までの間、あらゆる学生や労働者達の自由や権利をくいつぶしながら、際限のないから騒ぎを続けた“と綴っている。

私は記録でしかこの時代を知らないので、その是非を語る権利は持ち合わせていないが、成田の小学生たちが手に手に竹やりを持って空港建設を反対しているニュースを見て心からびっくりしたことや、私の中学時代、テンチャンと繰り返すばかりで授業を進めない教師が、駅前で別人のように生き生きと「職場待遇改善」と叫んでいたこととかを思い出した。

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著者:大崎 善生
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