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2007年5月16日 (水)

ミシン

日々の暮らしに追われて、自分が好きだったものさえ忘れてしまうことがある。

古い友人が「手先が器用だった」と私のことを説明してくれて、かつて洋裁に熱中していたことをはたと思い出した。

そういえば、子供の産着も自分で作ったのだった。

お腹の中の命が少し怖くて、その何倍も嬉しくて、せっせとミシンに向かったものだった。

深夜近くにならないと多忙なおっとが帰宅しないことをいいことに、何時間も一心不乱にベビー服やらなんやらを作ったものだった。

また、なにか縫ってみよう。今度は自分のために。

ミシン     嶽本野ばら  小学館  小説

  ★★★☆☆

パンクバンドのボーカル・ミシンを愛した私は、彼女と同じブランドの衣服に身を包み、彼女と愛し合えるよう、彼女の恋人が消滅するようひたすら願掛けをする。そして私の究極の愛の形は・・・。

この作者の作品はロリータの衣服に身を包み、時代に合わないのだと古いものに執着し、周りの人々を疎ましく軽蔑している主人公ばかりで、どうしても好きになれないのに読んでしまう。物にどうしてそんなにもこだわるのかわからなかったけれど、この作品を読んでみて、彼らにとっては単なるファッションではなくて、アイデンティティといおうか、それなくしては生きていかれないほどの存在意義なのだ。形にならない絶望と苦しみ、豊かな時代の迷える魂なのだろうか。・・・・・なんだか贅沢すぎる。

ミシン Book ミシン

著者:嶽本 野ばら
販売元:小学館
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コメント

服って何なんでしょうね。装うことってどんな意味を持っているんでしょう。
ゴシックという服装をすると、突然、人格が変わる人もいるし。
私もヒールを履くとなんか気持ちがしゃんとするし。
同じ服を着ることによって同一化するっていうのもあるでしょうね。
日本にいたら、ゆっこさんにあわせて読みたいわ。

ゆっこさんのブログ、めっちゃくちゃかわいいですね。上の部分の絵も動いて変わるし。ワンちゃんの親子もいいわあ。

投稿: モワノー | 2007年5月24日 (木) 04時55分

服装に無頓着なので、この本を読んで装いによって守られていると言おうか、それで自己が完成するというような人もいるのだなぁとわかりました。本当結構長く生きているはずなのに、初めてわかるようなことって多いですね。
このブログのデザイン、可愛らしくてすごーく気に入っているのです。でも新しいデザインが次々出てくるので、いずれは、リニューアルしたいなぁとも思ったりしています。

投稿: ゆっこ | 2007年5月26日 (土) 17時45分

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