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2007年3月12日 (月)

赤い長靴

ミモザの花が満開だ。

黄色の小さな花が枝に沿って鈴なりに咲いている。

風に揺れている鮮やかなその色が不意に胸を打つ。

小さく弾けるように心を打つ。

陽がなくとも光を受けているようなその花を見上げながら、遠い昔にもこんな風景を見たことがあるような気がした。

赤い長靴   江國香織 文藝春秋 小説

  ★★★☆☆

日和子は逍三と結婚して十年になる。子供はないけれども二人にはなんの不都合もないし、愛情もある、何不自由ない生活が流れていく。けれど、である。幸せの中の隙みたいなものだろうか、不満とも言えないようなかすかな塵のような心の動きが書かれていて、やはり上手いなぁと思ってしまった。

 “一緒にいないときの方が彼のことが好きみたいだ。”

結婚生活を送っている中で、こういう類のことを思ったことのある人は多いのではないだろうか。嫌いになったとか、愛情が薄くなったとかいうことではなく。

私はおっとと一緒にいる時の方が愛を感じます、もちろん。

赤い長靴 Book 赤い長靴

著者:江國 香織
販売元:文藝春秋
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コメント

コメントをくださったのはこちらのゆっこさんでしょうか?お名前だけでアドレスがありませんでしたので、探し回りました。「ゆっこ」というハンドルネームのブログが複数ありましたが、たぶんこちらだろうと……。間違っていたらごめんなさい。
この作品は、確かにあちこちに共感できる部分もあり、細かい心の動きがよく書けているとは思いましたが、全体として「読んでよかった!」とは思えなかった、というのが正直な感想です。ゆっこさんも取り上げていらっしゃる奥田英朗の『空中ブランコ』は楽しめました。

投稿: nishinayuu | 2008年7月 3日 (木) 16時38分

お手数をおかけしたようで、ごめんなさい。
わざわざ探しあててコメントくださったなんて、本当に嬉しいです。
一つの作品でも、人によって、年齢によって違う感想があり、それを交換できることが本当に楽しいことだと思います。
これからも宜しくお願いします。

投稿: ゆっこ | 2008年7月 5日 (土) 11時20分

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