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2007年2月19日 (月)

アンクルトムズ・ケビンの幽霊

オランダ語で「ネー」と言うと「NO」の意味。

韓国語では「ネー」は「YES」の意味になる。

同じ音の響きなのに、まったく逆の意味になる。

心がすれ違う時、どうしても心が伝わらない時、言葉を尽くしてもどうしても伝わらない時、きっと相手は違う意味でその言葉を聴いているんだろう。

けれど、世界中どこでも、人はみんな同じように恋をして歌を歌い、食事をし、眠る。

今日も、そしてこれからも。

アンクルトムズ・ケビンの幽霊  池永陽 角川書店 小説

  ★★★★☆

西原は鋳物工場の職人で、同じ職場の不法残留タイ人達を気にかけ面倒を見る。彼らと彼らのアパートに転がり込んだ在日朝鮮人の女性と触れ合ううちに、心の奥底にしまいこんでいた苦い初恋を思い出す。そして西原がとった行動とは・・。

日本人にとっては恥ずべき重い内容の小説。ここに出てくる人たちは根からの悪人はおらず、その行動には善くも悪くも理由があり、決して許されないとわかっていながらその選択をしている。主人公の西原も善人だが、八方美人で態度が煮えきらず後悔ばかりしている。それに引き換え、虐げられている人たちがたくましく生き抜いていく様が強く、哀しかった。最も罪深いのは、無自覚に非人道的な行動をすることなのだと強く思った。全ての人々が、少しの善意を実行する勇気が持てたなら、もっと良い世の中になるのだと信じたい。

アンクルトムズ・ケビンの幽霊 Book アンクルトムズ・ケビンの幽霊

著者:池永 陽
販売元:角川書店
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