« またたび | トップページ | うつくしい子ども »

2006年11月 9日 (木)

もしも私が、そこにいるならば

こどもが宿題をしている。

『ひらがなのにているじを れんしゅうしましょう。』というプリントだ。

「わ」と「れ」と「ね」を練習するらしい。

プリントを覗くと、枠からはみ出そうな大きな字で全て「ね」と書いている。

思わず、「全部『ね』を書く訳じゃないんだよ。」と言うと

にっこり笑ってきっぱりと言った。

「だって~『ね』が得意なんだもん!」

もしも私が、そこにいるならば  

片山恭一 小学館 小説

  ★★★☆☆

短編集。どれも病院が深く関わってくる。その為どうしても作品のトーンが暗いけれど、最後に少し希望が見えて終わるので気持ちよく読みきれた。母親の死後、娘が母のささやかな過去の恋を知るという表題の作品より、障害を抱えた子を持つ教師の話が心に残った。全身で子を受け止めて生きていける母親と違って、逃げるわけにも行かず、正面から抱え込むわけにも行かない父親の心。生真面目な男の葛藤がさらりとした文体で書かれていて心に残る。子とのきずなを感じる場面も淡々としているがかえってそれがよかった。この人の作品は、いつもタイトルが何と言ったらいいのか、面映い感じがするのだけれど、作風みたいにさらりとしたタイトルだったらもっといいのになと思う。

もしも私が、そこにいるならば Book もしも私が、そこにいるならば

著者:片山 恭一
販売元:小学館
Amazon.co.jpで詳細を確認する

|

« またたび | トップページ | うつくしい子ども »

小説」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/155447/4128470

この記事へのトラックバック一覧です: もしも私が、そこにいるならば:

« またたび | トップページ | うつくしい子ども »