« カイマナヒラの家 | トップページ | いま、会いにゆきます »

2006年11月22日 (水)

窓の灯

週に一度くらい通る道に飲食店がある。

店の前に風が吹くと回転する看板が立っている。

かなり大きな字で、そして、かなり下手くそな字で「う ま い」と書いてある。

子供のいたずら書きのような「う ま い」がくるくると回っている。

通るたびに、くるくる、くるくると何度も。

この店はうまいのか、うまくないのか、気になりながらやっぱり店に入れずにいる。

窓の灯  青山七恵 河出書房新社 小説

  ★★★☆☆

ひょんなことからミカド姉さんのいる店で働くことになった私。店の二階に住むミカド姉さんのとなりの部屋まで与えられたが、自由奔放なミカド姉さんや向かいに住む男性の生活を、そっとのぞき見ることがやめられなくなっていく。他人のプライベートが気になるのは誰でもある気持ちで、日本人は嫌悪感が強いけれど、古い映画の「裏窓」などは当然の権利のように堂々と他人の家の窓を見ている。筆者が若い女性のせいか、のぞきというより、まるでネットの画面でも見ているように話が進んでいく。自分自身を見られるのは極端に警戒し、いくら人と深く付き合うのを避けていても、人を求めてしまうのは人間の性(さが)なのか。

窓の灯 Book 窓の灯

著者:青山 七恵
販売元:河出書房新社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

|

« カイマナヒラの家 | トップページ | いま、会いにゆきます »

小説」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

今どきクルクル回る(しかも自動回転ではなく風で!)手書きの看板・・・レトロだわね。
奇を衒ったのか、それとも看板にお金をかけられるほど繁盛していないのか。
よくある事だと思うけど、実家近くのかなり大きなJR駅前にも昭和50年代で時が止まったような飲食店があります。周りが次々とモダンな店舗に変わっていく中、ポツンと一軒取り残されたような店。
今度行ってみようかな~

『窓の灯』は覗きがテーマでもサスペンス仕立てではないのね。
見知らぬ人のブログが気になってロムる人の心情と共通するものがあるのかな?

投稿: ルギア | 2006年11月22日 (水) 19時18分

周りと少し違うとなんだかそれはそれで、気になるんですよね。気になるんだけど、なかなか一歩が踏み出せないんです・・。ぜひ、そのレトロなお店行ってみて下さい!なんか発見があるかも?
『窓の灯』はサスペンスではなくて、淡々と出来事が綴られていて、だけど、小説ならではの出来事も起こったりして、なかなか面白かったです。

投稿: ゆっこ | 2006年11月26日 (日) 18時40分

こんんばんは。
初めまして。
TBありがとうございました。
こちらからのTBがうまくいきませんので、コメントにて。
この本、女性の描き方が巧いと思いました。
女性が持つ何かを出している感じでした。

投稿: モンガ | 2007年6月16日 (土) 00時52分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/155447/4274824

この記事へのトラックバック一覧です: 窓の灯:

« カイマナヒラの家 | トップページ | いま、会いにゆきます »