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2006年11月 1日 (水)

思いわずらうことなく愉しく生きよ

コスモスが風に揺れている。

白や薄紅や濃紅がゆらゆらと。

誰かが種を蒔いて、大切に育てた儚げなコスモスの花たちが。

けれど、私の記憶の中のコスモスはそこら中に咲き乱れる野の花だ。

水を与えられるでもなく、丁寧に草を抜いてもらうでもない、

子供たちが手に手に握り締めて走り回った、ありふれているけれど萎れたりしない強い花だ。

思いわずらうことなく愉しく生きよ 

江國香織 光文社 小説 

  ★★★★☆

三姉妹の物語。長女は夫の暴力に苦しみ、結婚を否定し同棲にこだわる次女、家庭にあこがれながらも数多くの男性と関係を持たずにはいられない三女。どうしてこの人が書くと、こういう登場人物を奔放と感じないどころか、清潔感や透明感があって魅力的だと感じるのだろう。

長女とその夫が少しずつ壊れていく感じが悲しい。この二人の組み合わせでなければ、お互いに執着していなければ夫は豹変しなかったのか。それとも夫の性分なのか。優しかった夫と自分の選択を否定したくなくて、結婚にこだわる長女の意地がこれもまたふうわりと描かれていて、さすが。

思いわずらうことなく愉しく生きよ Book 思いわずらうことなく愉しく生きよ

著者:江國 香織
販売元:光文社
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