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2006年10月30日 (月)

蛇にピアス

「あ、そうだ、今日たぬきを見たよ。」おっとが言った。

「家の角を曲がったら、たぬきが公園をめざして歩いていった。」

私の家も結構な都会にある。

そして、彼もこういうことでうそはつかない、多分。

私が黙っているとこどもが言った。

「うん、そういうの、よく会うよね。」

そういうのにも、こういうのにも私は会わない。

蛇にピアス  金原ひとみ 集英社 小説

  ★★★★☆

ルイはアマの蛇のように割れた舌(スプリットタン)に惹かれて、ほどなく同棲を始める。自分も同じにすべく舌にピアスをし、彫師のシバと出会ってからは刺青も入れ始める。登場人物は全て体に傷をつけていくことによってしか、存在意義を見出せないでいるようにも感じる。男女の睦みも意味を成さず、ルイとアマはお互いの名前すら知らないでいたことにも気づかないでいた。彼らは一体何を求めてどこにいくのだろう。不安の中にも一筋の希望が見えるのが若さではないのか。やりきれない気持ちになるけれど面白い小説だった。

蛇にピアス Book 蛇にピアス

著者:金原 ひとみ
販売元:集英社
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