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2006年10月27日 (金)

光ってみえるもの、あれは

職場の新人だった頃、先輩の女性が「あなたって、しんどそうね。そうやってみんなに好かれようとすると大変でしょ。」

誰にも嫌われたくなかった。たとえ私が嫌いな人からでも。

「10人の人がいて、9人の人があなたのことを大好きだとする。そうしたらね、残りの一人は9人の人があなたを好きだと言う、その理由であなたのことを嫌いになるものなのよ。」

そう考えると楽になった、いつの間にか少々嫌われたって平気になった。

けれども、みんなに好かれたくて一所懸命だったあの頃の若さを、不器用さをいとしく思う。

光ってみえるもの、あれは  川上弘美 中央公論新社 小説

  ★★★★☆

翠は、未婚で彼を生んだ母と祖母と暮らしている高校生。個性豊かな彼の父、親友の花田、ガールフレンドの水絵によって翠の日常が彩られていく。

毎日続く日常を暖かく描くのはいつもながら天下一品。小説ならではの出来事もあるのだけれど、流れていく日常の一こま一こまがなんともいい。きちんとした正解がなく、だらだらと続いていくので、好き嫌いがはっきりしそうな作品だけれど、実際の生活はこうやって地味に行ったり来たりしながら流れていくものだよな、などと思う。

光ってみえるもの、あれは Book 光ってみえるもの、あれは

著者:川上 弘美
販売元:中央公論新社
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